環境コラム☆辻理事長@藤前干潟を守る会による環境へのメッセージ
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名古屋港新基本構想についての提案

名古屋港新規本計画パブコメに下記の提案を送りました。

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来年は名古屋港の開港から100年と聞いています。

ぜひ、この機会に、この100年の港湾開発の歴史とその功罪を、真摯に見なおしていただくことを提案します。

私たち人間は、全ての地球上のいのちと同様に、それぞれの生をまっとうすることと、子孫の繁栄を願ってきました。そのために、自分のことはおいても、子や孫によりよき生存の条件を伝えたいと努めているといってよいでしょう。

そうした観点から、名古屋港の歴史的経緯をを見なおすと、中部経済圏の物流窓口として、ものづくり愛知を支える臨海工業地帯として大きな働きをしてきたことは確かですが、一方で、かつてのゆたかな海を壊し、将来世代の享受できる筈の「海の幸」をへらし、持続的な生存可能性を減らしてきたと
いうことも指摘せざるを得ません。

木曽三川が陸からの砂と養分を運び出してつくってきた広大な干潟や浅場を、掘って港をつくることにも無理があったのですが、さらに広域の浚渫と埋立によって、臨海工場用地を造成し、深い航路をつくりだしました。

それは、名古屋市民に海の幸を供給していた、ゆたかな名古屋の漁場を壊滅させただけでなく、伊勢湾全体の水質浄化と生物生産を担っていた干潟浅海域の生態系を大きく損なわせたのでした。

藤前干潟の保全は、その最後の一角をのこした画期的なものですが8000ヘクタールの干潟浅海域が、4000ヘクタールの埋立地とほぼ同規模の深み(航路や舶地)が掘られたことにより、95%が失われた影響はとどめようがありません。

今や、伊勢湾の夏場には赤潮が常時発生しているだけでなく、海底には貧酸素水塊が発生し、それが表層に引き出される時に硫化水素を含む苦潮(青潮)となって、周辺魚介類を全滅させるという大変な事態になっています。

もちろんこれは、大きな人口を抱える流域都市からの流入負荷も大きくかかわっていることですが、浚渫埋め立て工法によって、干潟浅場を大きく改変し、有機負荷を浄化し、海の命の生産に変えてくれる働き手の生態系を失ったことに主因があることが、最近の研究で確かめられ、合意されてきています。

一番の問題は、自然の仕組みや生態系のはたらきを知らぬまま、ゆたかな無限循環型自然資源発生場であった海を、工業地帯に変えてきた国策に誤りがあったといわねばなりません。

しかし、今大切なことは、その責任を問うことではなく、社会全体で進めてきたことの結果を、はっきりと認めたうえで、あらたな知見にたって、かつてのゆたかさを取り戻し、次代に伝えるよう、社会全体での努力を真剣に傾注することでしょう。


そのために、次の諸点を実行することを提案します。

1.貧酸素水塊発生を、光化学スモッグ発生などと同様な「公害」と認定し、常時監視や解決策の研究などへの制度的対応をとる。

2.名古屋港内の航路や舶地、周辺海域の貧酸素水塊発生状況の精密な調査を行い、解決策の研究をすすめる。

3.浚渫窪地の埋め戻し、干潟浅場の造成をすすめ、生態系による流入負荷の処理能力の回復を図る。

4.残された干潟の保全、木曽川河口域の干潟の自然造成を助ける。飛島干潟を保全し、ラムサール登録地藤前干潟へ加入させる。

5.遊休貯木場、遊休埋立地、木曾岬干拓地などでの、聖域なき湿地復元策を検討し、その実施をはかる。

6.港湾のあり方、船運のあり方を、抜本的に見直し、漁業水産業と両立できる、環境再生型の流通を創り出す。

7.以上の「21世紀名古屋港自然再生=都市文明再構築事業」を、市民主導の「産官学民」協働態勢による、無制限、最優先政策として
実行する。
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- | 2013/02/08 7:16 PM
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